
ミニチュア・ガーデン
第6章 喪失した道
一時間程経過した頃、フェイクが再びガルクに声をかける。
「なぁ、外に出るけど、一緒に行かないか?」
あくまでラークにガルクと言う存在を慣れてもらうための事で、三人で居ても良い雰囲気にはならないのだが、フェイクはめげずに散歩の度に声をかけるのだ。
この散歩には数える程しか参加しなかった、とガルクは記憶している。最初の内はラークが突然嘔吐をしたり、ふいに近寄って来た男に恐怖して腰を抜かして動けなくなったりと散々な目にあい、最後の方はなんとか会話をしながら歩けるようになっていた。今はその中間、調子が良ければ平気だが、悪ければパニックを起こして突発的な行動をしてしまう時期だ。
ガルクは応える為に扉を開け、従兄弟を見る。
「外ってどこに行くんだ?」
「散歩だから、目的はないよ」
意地悪な質問もフェイクは穏やかに答え、改めて行かないか? と言う様に肩を竦める。
当時の自分の行動パターンを考えると、断るのが正しい。だが、今でも親友だと思えるフェイクと、恋人のラークと少しでも長く居たい、と思う。特にフェイクとはあまり長く居られないのだから。
「……アシヤに行くなら」
単純に一緒に行きたい、とは言えず、どこか不機嫌そうにガルクは答えた。
「分かった。じゃあ今日はアシヤに寄るか。な、ラーク」
名前を呼ばれ、彼はまだ怯えた目でこちらを見て、小さく頷いた。口実にしたものの、ガルクは用はないのだ。ただ、後の彼が好んだ店だから口にしただけだ。
「なぁ、外に出るけど、一緒に行かないか?」
あくまでラークにガルクと言う存在を慣れてもらうための事で、三人で居ても良い雰囲気にはならないのだが、フェイクはめげずに散歩の度に声をかけるのだ。
この散歩には数える程しか参加しなかった、とガルクは記憶している。最初の内はラークが突然嘔吐をしたり、ふいに近寄って来た男に恐怖して腰を抜かして動けなくなったりと散々な目にあい、最後の方はなんとか会話をしながら歩けるようになっていた。今はその中間、調子が良ければ平気だが、悪ければパニックを起こして突発的な行動をしてしまう時期だ。
ガルクは応える為に扉を開け、従兄弟を見る。
「外ってどこに行くんだ?」
「散歩だから、目的はないよ」
意地悪な質問もフェイクは穏やかに答え、改めて行かないか? と言う様に肩を竦める。
当時の自分の行動パターンを考えると、断るのが正しい。だが、今でも親友だと思えるフェイクと、恋人のラークと少しでも長く居たい、と思う。特にフェイクとはあまり長く居られないのだから。
「……アシヤに行くなら」
単純に一緒に行きたい、とは言えず、どこか不機嫌そうにガルクは答えた。
「分かった。じゃあ今日はアシヤに寄るか。な、ラーク」
名前を呼ばれ、彼はまだ怯えた目でこちらを見て、小さく頷いた。口実にしたものの、ガルクは用はないのだ。ただ、後の彼が好んだ店だから口にしただけだ。
