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　体を拭き終え、フェイクはそれを片付ける。ラークはその間に服を着替えるのだ。
　今日は出かける気もないので、ガルクはその様子を眺め、時間が来たらシャワーを浴びて寝る事にする。ラークがトイレ以外に部屋から出てこないのだが、単純に昼に買った本を読んでいるだけで、調子が悪いやガルクを避けていると言う訳ではないようだった。

「じゃあ、先に寝るな」
　十一時を過ぎ、フェイクが言って部屋に入った。
　シングルベッドを二つ置くスペースはなく、ダブルベッドで一緒に眠っている。ラークは最初は落ち着かなかった様子だが、今はそれが当たり前になっており、怖がってはいない。
　ガルクは見るテレビもなく、部屋に戻ってベッドに横になる。
　これからが長い孤独な時間だ。隣の部屋にはラークがいるのに触れられず、フェイクとも仲良く会話も出来ない。あの頃は何も思わなかったが、そばにいるのに心を通わせられないと言うのがこんなにも孤独だと知らなかった。
「ラーク……」
　恋しさに彼を呼ぶ。
　彼に触れたい。あの濃厚なキス。吸い付く様な肌。潤んで細まる目。甘い声。
　手を伸ばせば触れられるのに、触れてはいけない。そこにいるのは本当に欲しい彼ではないと言い聞かせても、心はそれを理解してくれない。苦しい程に彼を求め、解放を求める。