『ミニチュア・ガーデン』第6章「喪失した道」　119ページ

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ミニチュア・ガーデン

第6章喪失した道

　下品とも思える程の卑猥な音を立てて口で性器を扱かれ、彼らと共にいる目的が頭の隅に追いやられて行く。
　彼の方から関係を求めて来た。彼が望み、自分も望んでいる事を、否定する理由などない。
　思いながら、彼は本当は好きで性交渉をしているはずがない事を、ガルクは熟知している。これは昼のキスと同じ、媚を売っているのだ。キスを拒絶せず、むしろ骨抜きにされる程に喜んでしまった事により、彼に性癖を見抜かれてしまった。だから、キスよりも強い快楽をもたらす性交渉をして、ここに留まろうとしているのだ。
「ラーク……ダメだ」
　熱心にフェラチオをする彼を制止しようと、ガルクは絞り出す様な声を出す。彼は咥えたままガルクを見るが、口を離そうとせず、暖かい口の中で括れを舐められてしまう。ザラザラの舌根と滑る唾液に感じ、甘く熱い吐息が漏れる。
　快楽と言う楔で彼がここに留まろうとしているのなら、何度交わっても心が通う事はない。そもそも、こんな性交渉では、脅迫して無理矢理関係を持っているのと変わりがない。
　彼の頭を掴んで離そうとしても、特に感じる部分を知られてしまい、その度にそこを刺激されて力が抜ける。そこには、もっとして欲しい、と言う願望のせいもあると、ガルクは自覚している。
　彼の中に放ちたい。だが、それをすれば自分はこの快楽に何度も押し流されてしまう。心のないセックスを、それと知りながら求めてしまう。