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ミニチュア・ガーデン

第6章 喪失した道

「ラークと……したのか?」
 フェイクは単刀直入に尋ねる。
 ガルクは答えたくないのもあり、目を泳がせ、黙った。
「あの人が今まで何をして来たか、知ってるだろう? 必死になったら何でもするって、それをして、自分で傷ついてパニックを起こすって」
 フェイクは感情的にならず、あくまで静かにガルクを咎める。肉体関係を持ってしまった事に対しては、咎めるつもりはないらしい口ぶりが、ガルクには引っかかる。
「違うだろ? 言えよ、どうしてセックスしたのかって言えよ! ラークが俺の所に来て、何回も止めようとしたけど止めなかったんだ! 俺はあいつが好きだ。愛してるんだ! 好きなやつとセックスして何が悪い!? 」
 ガルクはそう吐き出し、同時に双眸から涙を零す。フェイクはその勢いにか、言葉にか、唖然として絶句し、泣くガルクを見ている。
「好きなんだ。でもどうすれば良いんだ? 俺はあいつが好きで好きでたまらないんだ! でもあいつは俺を好きになってくれない! どうしてなんだ!? 俺の何が悪いんだ!?」
 彼が死んでからの孤独を訴える様に、ガルクはフェイクに言葉を叩きつける。
 彼ならなんと言ってくれるのかと、何度も考えた。
 叱責を浴びせるのか、優しく慰めてくれるのかそれとも……と。その中には、彼がガルクの想いを頭ごなしに否定するものはなかった。

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