ミニチュア・ガーデン
第1章 無
穏やかな午前を過ごし、昼食を摂ってから二人は外に出かける。ラークは暑さに外に出る事を嫌がってグズグズ言ったが、一旦出ると体感温度が低いと気づき、嬉しそうに笑った。
「さっきしたのって、コレだったんだ」
ジリジリと肌を焼く日差しも、春の穏やかな陽気であり、炙られるような温風も爽やかな風と言う中、彼は白い肌を惜しげもなく日の光に晒し、銀髪に光を纏わせて顔を輝かせる。こんなに喜ぶなら、もっと早くしてやれば良かった、と思いながら、ガルクは軽い足取りで歩いて行く彼を目で追う。その後ろ姿は美しく、尊く、儚い。このまま、眩しい日差しの中に消えてしまいそうで、幻想だと言う様にフッと掻き消えてしまいそうで、瞬きすら出来ない。
「ラーク……ラーク! 待って!」
自分でも驚く程に、殆ど悲鳴と言える声が出て、彼は緊急事態か、と鋭く振り向く。
「どうした!?」
切りつけられる様な鋭さを持った警戒心を剥き出しに、彼は飛ぶ様に戻って来て、ガルクは迷わずその細い体を抱き締めた。
「何をするんだ!」
警戒している彼はやすやすとは腕に収まらず、逞しい腕の中で暴れるが、しがみつく様な強い力に動きを止める。
「ガルク? どうしたんだ?」
「行かないでくれ」
「……俺が何処かに行く訳がないだろ?」
小さな子供が親を求める様に、彼を求めるガルクに、ラークは手を伸ばして抱き締めた。今までガルクがそうしてくれた事を、そのまま返した。
「さっきしたのって、コレだったんだ」
ジリジリと肌を焼く日差しも、春の穏やかな陽気であり、炙られるような温風も爽やかな風と言う中、彼は白い肌を惜しげもなく日の光に晒し、銀髪に光を纏わせて顔を輝かせる。こんなに喜ぶなら、もっと早くしてやれば良かった、と思いながら、ガルクは軽い足取りで歩いて行く彼を目で追う。その後ろ姿は美しく、尊く、儚い。このまま、眩しい日差しの中に消えてしまいそうで、幻想だと言う様にフッと掻き消えてしまいそうで、瞬きすら出来ない。
「ラーク……ラーク! 待って!」
自分でも驚く程に、殆ど悲鳴と言える声が出て、彼は緊急事態か、と鋭く振り向く。
「どうした!?」
切りつけられる様な鋭さを持った警戒心を剥き出しに、彼は飛ぶ様に戻って来て、ガルクは迷わずその細い体を抱き締めた。
「何をするんだ!」
警戒している彼はやすやすとは腕に収まらず、逞しい腕の中で暴れるが、しがみつく様な強い力に動きを止める。
「ガルク? どうしたんだ?」
「行かないでくれ」
「……俺が何処かに行く訳がないだろ?」
小さな子供が親を求める様に、彼を求めるガルクに、ラークは手を伸ばして抱き締めた。今までガルクがそうしてくれた事を、そのまま返した。