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ミニチュア・ガーデン

第1章 無

「んっ……」
 スッと高い鼻から漏れる甘い吐息が頬を撫で、耳を楽しませる。苦しげに酸素を求める呼吸は激しくなり、それに伴って吐息にも熱がこもる。
 ガルクの頭は欲求と衝動が駆け巡る。
 彼の唇だけでは済まない欲求が無意識に手を動かして背中をまさぐり、興奮に硬くなった性器を彼に押し当てる。二人の間を妨げる服と言う柵が邪魔だが、早急に彼を感じたいが為にそのままグイグイと体を押し付ける。
「苦しい……」
 キスの合間に彼が首をのけぞらせて酸素を求めて喘ぐ。が、その白い喉も衝動の餌食にあい、唇と舌の激しい愛撫に晒される。
「待って……お願い……」
 か細い嬌声の合間に懇願をされ、彼の体に密着したまま行為を止める。
「どうした?」
 興奮に弾む息を整えるつもりもなく、ガルクは尋ねる。彼の息遣いも荒く、火照った体と赤みを注す肌が艶かしい。
「シャワー……浴びて良いか?」
 おずおずと口にする彼に、ガルクは軽く吹き出してしまう。強引に、乱暴にしてしまいそうだった、凶暴な欲求はその一言で削がれてしまう。
「誘って来たのはお前だろ? どうしたんだ? 急に」
 言いながらも彼の太ももに押し付けた性器は硬く、体は彼を求め、彼を乱れさせたい欲求に疼く。

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