ミニチュア・ガーデン
第3章 空洞の城
ラークを心から愛しているとは言え、女の感触は嫌いではない。むしろ好きな方だ。今、腕の中でもがいている女性も、肉付きの良い方が好きなガルクにしてみれば、少々物足りない物を感じるものの、そこらの男よりは遥かに気持ちが良い。
「王様! 離して下さい!」
彼女の感触を楽しんでいたガルクだが、細い腕で必死に抵抗を試みている姿に、仕方なく離す事にする。嫌がる女を力で屈服させようと言う気にはならないからだ。
「すまない」
泣き出しそうな彼女の表情に気づき、ガルクは謝罪を口にする。有機物ロボットに謝罪してもしなくても、結果は一緒なのは創造したガルクがよく解っているので、そんな行動も反射的な物でしかない。
逃げ出そうとしていた彼女は、ガルクの声に立ち止まり、振り向く。
サラリとした赤毛が流れ、その向こうに細い輪郭と切れ長で大きな瞳が見える。
それは何気ない行動なのだが、ハッとする何かがあった。例えるならば、月夜の静かな水面に落ちる花弁だ。
「いきなりだと、心の準備が出来ません」
彼女は恥ずかしそうに頬を染めて言い、早足で行ってしまう。その後ろ姿に、有機物ロボットの一体に興味が湧いたガルクは見えなくなるまで視線を送り、公務に向かう事にする。
彼女を追うのも、手に入れるのも可能だが、何もかもが思い通りで制限がない世界ほど孤独な物はないと、ガルク自身、経験して来たのだ。
「王様! 離して下さい!」
彼女の感触を楽しんでいたガルクだが、細い腕で必死に抵抗を試みている姿に、仕方なく離す事にする。嫌がる女を力で屈服させようと言う気にはならないからだ。
「すまない」
泣き出しそうな彼女の表情に気づき、ガルクは謝罪を口にする。有機物ロボットに謝罪してもしなくても、結果は一緒なのは創造したガルクがよく解っているので、そんな行動も反射的な物でしかない。
逃げ出そうとしていた彼女は、ガルクの声に立ち止まり、振り向く。
サラリとした赤毛が流れ、その向こうに細い輪郭と切れ長で大きな瞳が見える。
それは何気ない行動なのだが、ハッとする何かがあった。例えるならば、月夜の静かな水面に落ちる花弁だ。
「いきなりだと、心の準備が出来ません」
彼女は恥ずかしそうに頬を染めて言い、早足で行ってしまう。その後ろ姿に、有機物ロボットの一体に興味が湧いたガルクは見えなくなるまで視線を送り、公務に向かう事にする。
彼女を追うのも、手に入れるのも可能だが、何もかもが思い通りで制限がない世界ほど孤独な物はないと、ガルク自身、経験して来たのだ。