ミニチュア・ガーデン
第3章 空洞の城
眠り方も忘れてしまったガルクは、気を紛らわせる為に何をしようかと、部屋の中をウロウロする。
調理器具や洗濯機こそないが、冷蔵庫やテレビなどの家具は殆ど揃っている。これは部屋から出たがらないガルクの為に新たに用意されたのだ。それが証拠に、後で入れたと判る物は、部屋の角に申し訳なさそうに置かれている。
酒でも飲もうか、と冷蔵庫を開けると缶ビールがあったので、それを手に取る。何の変哲もない普通の缶ビールで、美味いか不味いかと尋ねられれば、生ビールに慣れた口は不味いと答える。
ともあれ、味わう為に飲む訳ではないので、ガルクは安酒でも構わないため、一気飲みしてもう一本取り出す。
座り心地の良いソファーに体を沈め、テレビをつける。ニュースに代わり映えがあるはずもなく、政治の話になれば、重箱の隅を突つくような話題ばかりでストレスが溜まるため、王になってからは自然と避ける様になっていた。一話完結のドラマを見つけ、それを眺めるのだが、少しでも退屈を感じると寂しさが入り込み、すぐにどんな話なのかついていけなくなった。アルコールに溺れれば、きっとこの寂しさも紛らわせると思うのだが、酔い方も忘れてしまったガルクにはそれすら困難だった。
飲み終えた缶ビールをテーブルに置いた頃には、ドラマの内容などなにも頭に入らなくなり、テレビの向こうで何かが喋っているとしか感じられなくなっていた。触れる事の出来ない場所で、楽しそうにパーティーをしているように見えて、余計に寂しくなった。
調理器具や洗濯機こそないが、冷蔵庫やテレビなどの家具は殆ど揃っている。これは部屋から出たがらないガルクの為に新たに用意されたのだ。それが証拠に、後で入れたと判る物は、部屋の角に申し訳なさそうに置かれている。
酒でも飲もうか、と冷蔵庫を開けると缶ビールがあったので、それを手に取る。何の変哲もない普通の缶ビールで、美味いか不味いかと尋ねられれば、生ビールに慣れた口は不味いと答える。
ともあれ、味わう為に飲む訳ではないので、ガルクは安酒でも構わないため、一気飲みしてもう一本取り出す。
座り心地の良いソファーに体を沈め、テレビをつける。ニュースに代わり映えがあるはずもなく、政治の話になれば、重箱の隅を突つくような話題ばかりでストレスが溜まるため、王になってからは自然と避ける様になっていた。一話完結のドラマを見つけ、それを眺めるのだが、少しでも退屈を感じると寂しさが入り込み、すぐにどんな話なのかついていけなくなった。アルコールに溺れれば、きっとこの寂しさも紛らわせると思うのだが、酔い方も忘れてしまったガルクにはそれすら困難だった。
飲み終えた缶ビールをテーブルに置いた頃には、ドラマの内容などなにも頭に入らなくなり、テレビの向こうで何かが喋っているとしか感じられなくなっていた。触れる事の出来ない場所で、楽しそうにパーティーをしているように見えて、余計に寂しくなった。