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　マーガリンとジャムを出し、トースト用の皿を出そうとしたところでトースターが焼けた、と合図を出す。
「ラーク、出来たぞ」
「あ、うん」
　焼きたてで熱いトーストを皿に移し、彼の席と自分の席に置く。
　目玉焼きとトースト一枚では明らかに量が少ない、と今頃気づいてベーコンを焼こうと思って出しっぱなしだった事を思い出す。今から焼くにしても遅いが、無いよりマシだ、と目玉焼きの皿をシンクに置き、適当な大きさにベーコンを切り、手を伸ばして現れたレタスを毟って皿に盛り付ける。
「あれ？ 出来たんじゃないのか？」
　ラークの声に視線を向けると、テーブルの上にトーストが一枚しかないと見て首を傾げていた。不思議そうな表情であっても、彼の魅力が半減するはずもなく、寧ろ美しいばかりではない、親しみやすさを感じさせる魅力が顔を出す。
　ともあれ、彼の魅力に浸ってばかりでは、ガルクの胸は満たされても、彼の空腹は満たされない。
　まな板から皿に移動させる間に香ばしくカリカリになったベーコンを盛り付け、腹を空かせた恋人の前に置く。
「考え事しながら作って、見たら少なかったんだよ。だから、足してたんだ」
　そう正直に言うとラークは、間抜けだなぁ？ とからかう様に笑い、トーストにマーガリンを塗り始めた。