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ミニチュア・ガーデン

第4章 幸せへの崩壊

 ガルクは痙攣が落ち着いてから、改めて強く吸い、中に残っている精液を残らず吸い出し、小ぶりな性器を口から出す。
 口の中に残る体液は温かく、飲み込むと生々しいまでに喉を通って食道から胃に入っていく感触がした。今の体を肉体と言って良いのかは判らないが、彼の精液が自分の体の一部になるのだと思うと、ゾクゾクした。まるで、彼に体を支配されるような、そんな気がして、喜びに震えた。
 車椅子にもたれてぐったりしているラークに、女刑事は恐る恐る声をかける。
「これを見て。どうして殺した後にバスルームに運んで、性行為をしたの? どうしてその後にバラバラにしたの? 貴方がしたんじゃないでしょ?」
 彼の変化に大いに動揺している刑事は、早口にまくし立てる。得体の知れない物に対する恐怖を押し殺すのに必死なのだ。
「家が汚れると、キャロルが怒ると思ったんだ」
 彼は蕩けた表情で、呆とした口調で答える。性的欲求を満たして、正気が戻ってきたようだ。
「悪くないのに、クリスやベスが怒られるのも可哀想だから、みんなここにいるよって、キャロルに言ったんだ」
 空想の世界の話をしている様に、彼の話は重要な何かが欠けており、刑事も看守も訝しげな表情だ。

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