真夏の夜の夢
第2章 第一夜
がむしゃらに腰を振る俺・・・・
愛車がグラングランと揺れた。
「気持ちいい!!気持ちいい!!」と
真由美が喘ぎ始めたころ・・・・・
バン!!! と車体を叩く音がした・・・・・
「え?・・・・誰かに覗かれている?」
「うそ?・・・・」
二人は繋がったまま凍り付いた。
しばらくの静寂の後・・・・
再び、バン!!と叩く音が・・・
「誰だ!!!!」
声が震えたが俺はおもいっきり怒鳴った。
すると・・・・
バン!!バン!!バン!!バン!!バン!!バン!!バン!!バン!!バン!! と、
車体のあちらこちらから叩く音が・・・・
だれかが車を叩いているのなら一人や二人ではない!!
これはもう数十人単位で叩かれている感じだった。
「くそ!!!」
俺は体を起こして周りを見渡した。
そこで俺は見た!!!!!
後ろのウィンドウから覗いている
真っ白な顔をした老婆を!!!!
その顔は闇の中にハッキリと浮かびあがり
ニタリと笑った!!!!!!!
「うわあああああああ!!!!!」
俺は必死に運転席にもどり、
下半身をむき出しにしたまま車を発進させた。
翌朝、
愛車を見てみると
ピカピカに洗車してあったはずが
車体一面に泥の手形がびっしりと付いていた・・・・・
俺たちが行ったダム湖は
有名な心霊スポットなのだと
後々に聞かされた・・・・
霊障が起こりうる場所では
セックスをしない方がいいかもしれませんね・・・・・・
こんなお話は嫌いでございますか?
えっ?面白そうだからもっと聞きたいですって?
ようございますとも
女将は話し終えると
蝋燭を一本、フッと吹き消した。