DOLL(愛しきラブドール)
第4章 先輩と季実子さん
翌日、出勤すると
いつもは朝一番に出社しているはずの
季実子さんの姿がなかった。
出社時間を大幅に過ぎても出勤してこない。
どうしたのだろうかと俺は先輩に尋ねた。
「さあ?どうしたんだろうな。
昨夜、あれから季実子を車に載せて
家まで送り届けたときは
具合も悪くなさそうだったんだけどな」と言った。
その頃、季実子は
まだ自宅のベットから起き出せないでいた。
手鏡を覗き込んで自分の顔を見てみると
頬が腫れ上がり目の回りに青アザが出来ていた。
『こんな顔じゃ会社に行けないわ…』
それでも無断欠勤は良くないと、
お昼前に事務所に体調が悪いので
しばらく休むと連絡した。
昨夜、欲情に負けて先輩に体を開いた。
季実子は頬を濡れタオルで冷やしながら
昨夜のことを思い出していた。
先輩に体を許したのは
好きなタイプの男ではなかったが
ムラムラした気持ちを
抑えることが出来なかったからだ。
いいムードだったのに、
先輩は季実子の中に射精したのだ。
妊娠したらどうしてくれるのと
彼を責めたことで先輩の態度が豹変した。