
マッチ売りの少女と死神さん
第9章 1月3日…お別れの調ベ 後編
サラは声を抑えていた。
彼の心身から発する音を聞くために。
喘ぎの合間にも与えられる、わずかな合図を漏らさないように。
胸元に張り付いた舌がサラの鎖骨をなぞる。
それによって、反らした顎に彼の髪が当たる。
肩口に彼の鼻と頬、サラを支える腰や腿を移動する手のひら。
逆にサラの手指はホーリーの肩と肩甲骨を探り、その大きさに改めて目を見張る。
程なくサラの吐く息に明らかに淫らな色が混ざる。
彼女の長いスカートは膝の辺りまで捲られ、生地が盛り上がっていた。
下着に引っ掛けられた指が器用にその中へと潜り込んでいくのを、サラは感覚で察した。
足の間にぷちゅ、と卑猥な音をまとわせ沈んでいく彼の指が、その形を注意深く探っていた。
花弁を割って進んだ先の蜜口に触れ、浅く潜り込む。
湿りを帯びたサラの吐息が震える。
まだ跡が残ってるね、と彼は言う。
それが何なのか分からないまま、サラはいつの間にか涙に取って代わりつつある、快楽の置き場所を探す。
