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マッチ売りの少女と死神さん

第10章 1月4日…死神さんに恋をしました



息を切らせたカリヌが仕事場へ向かうと、宝玉から飛び出した無数の人の魂が室内を眩ゆく照らしている────部屋の中央の、白く光る玉の前に冥王がいた。

宝玉には魂の持ち主のリストが載り、死亡日時や死因、生存の頃の行ないなどがびっしりと記してある。
指先の動きでパラパラとそれをめくった冥王は、目にも止まらぬ速さで魂を選別し始めた。


人の魂は再び次々と宝玉に吸い込まれ、光印となってリストの中へ収まっていく。
光印とならないものは魂の形だけが写される。

リストを共有している天界の神が天国に選ばれし人間の魂を受け取り、残りは地獄へと送り込まれるというシステムである。


カリヌは息を飲んで冥王の偉業を見詰めていた。

会話もままならないうちはと、そのやり方を詳しく話したことは無いというのに。

「お、おいおい、まじかよ……!!」

カリヌの胸は誇りと歓びに打ち震えた。
これこそが神の眷族だ。
自分は奇跡の出生と成長を今まで見守ってきたのだ。

「冥王……?」

サッサスッスッと作業をしていた冥王の手が止まっていた。

「………」

あと十個程の魂がウロウロしていたが、カリヌが覗き込んだ残りのリストの内容は流行り病だけでなく、微妙なものも混ざっていた。


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