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マッチ売りの少女と死神さん

第10章 1月4日…死神さんに恋をしました



「あ? つまみ食い常習犯が腹を壊して? SMプレイが激しすぎて死亡……? 意味が分かんないねえ、ま、なあに。 こんなのは生存中の奴らの行ないを宝玉で垣間見れば」

ペタペタペタ。

冥王は地獄行きと断じて残りの魂を片付けた。

(さては面倒になったな……)

クルリとカリヌに向き直った冥王は再びオアシスの方向へと指をさした。

「オアシスへ行きたいのお?」

冥王の眉らしきものが八の字になり、とても不安そうな彼の表情だった。

「んじゃ、僕も一緒に行くよ」

冥王が嬉しそうに大きく頷いた。
加えてお腹に手を当てる。

「……腹減ったあ?」

冥王は、死神として一人前になった。 もう自分は傍にいる必要は無いし、妖魔を食しても不便は無いだろう────カリヌは思った。

(やっと生まれ故郷の天へ帰れんだよなあ……)

カリヌは光る小さな玉を冥王に差し出して、ペコッと頭を下げた。

「これを食えばいいよお。 死神んなってもアンタは僕の王だ。 喋れない泣き虫の王様だ。 なに、話せるまで、僕はここに居てやるからな!!」



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