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マッチ売りの少女と死神さん

第3章 1月1日…死神さんに注がれています


お湯から出てタオルで体を拭いてから、洗っておいた下着を身につける。
まだ湿っていたが気にしないことにした。
そしてこれも洗ったブラウスを手に取った時、ふと鏡に映った自分の姿が目に入った。

そこには痛々しい姿の自分が映っていた。
腕や足にアザがあり、ところどころ血が滲んでいた。頬も腫れている。

「ひどい顔……」

思わず呟いてしまうほど酷い状態だった。

(これじゃますます外に出れないわ……どうしよう)

そんなことを考えているうちにどんどん悲しくなってくる。
途端に心細く、怖気づいてしまそうになった。

(帰らなくちゃ駄目なのに………)

涙があふれそうになったその時、浴室のドアがノックされた。
外から声が聞こえてきて胸がドキッと鳴る。

「サラちゃーん? まだ入ってるのかなあ?」

ホーリーの声だ。 どうやら彼はドアの外で待っているらしい。

(そうだ、彼がいるんだったわ……早く出なきゃ……!)

急いで服を着てドアを開ける。
するとすぐ目の前にホーリーが立っていた。
彼はサラの姿を見ると顔を輝かせた。

「あはっ、良い匂い。 待ってたよお」

ホーリーがサラの腕を掴み部屋の中へと引っ張っていく。
抵抗するきっかけを探しているうちに結局、手を引かれるままにベッドの端に立った。

当然のようにベッドに押し倒されると、あっという間にせっかく着た服を脱がされてしまいそうになる。

「待っ、あの……!」

慌てて手で隠そうとするが、その手を掴まれてしまう。

「ダメだよお、サラちゃん。 隠しちゃあ」

彼はサラの手をどけ、明るい室内で衣服が乱れて中央がほどけた彼女の体を視線で舐め回す。

「ふうん…」

少女の肌の端々でホーリーの目が止まり、何度か彼の喉が動いた。
サラは恥ずかしさのあまりに消えてしまいたくなった。

「知ってた? 体ってさあ、だんだんと慣れるんだよねえ…と言うより……そんなふうに作られてるんだあ」

ホーリーは視姦を楽しみつつも、そう小さく呟きながら指先をサラの肌に置いていく。

昨日の激痛を思い出したサラが身を固くしたが、ホーリーの振る舞いは、お父さんのものとは違っている。
上手く言えないが、最初から彼からは『怒り』を全く感じない。
そのせいでサラは、痛いのは嫌ではあるが、ホーリー自身に萎縮する気持ちは余りなくなっていた。


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