
マッチ売りの少女と死神さん
第2章 12月31日…死神さんに穢されました
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青年が怖くてついてきたものの。
(私が間違っていたのかもしれない)
サラは後悔していた。
「ふうう…くんくん。 サラちゃんの匂い……♡」
「………」
少女は唖然として、床に座り込んでいる目の前の青年を見ていた。
来る途中にあった建物の、廊下には同じようなドアがたくさん並んでいた。
ここはどこかの宿らしかった。
つい先ほどのこと。
街中の古い建物の一室に、半ば強引に連れ込まれたサラは部屋に入るなり、突然、青年に突き飛ばされた。
「きゃあっ!」
驚いて尻もちをうち、急いで体勢を整える。
サラはおそるおそる戸口にいる青年に目を向けた────すると突き飛ばした時に、サラから上着をはぎ取った青年が、座り込んで夢中でそれに顔をすりつけている……といった現在の状況である。
「あ、あの…私の服」
「はあ、ハア……くんくん、くんくん」
(どうしよう……気持ち悪いわ)
数少ないサラの洋服なのに、両手でそれを抱え、よだれでもたらさんばかりの青年の様子だった。
「やめて、やめてください」
「ふふ…くんくん、ハアハア……」
青年はちっともサラの方を見てくれなかった。
薄い肌着だけになってしまったサラは震えながら、真っ青になって青年に訴えた。
「お、お願いします、やめて」
「ふふ……うふふふ……」
気味悪く笑った青年が、しまいにガチャガチャと音を立ててベルトを外した。
「あああ、我慢できない」
「きゃあああ!」
突然、赤黒い彼の一部をズボンから取り出したので、サラは悲鳴をあげた。
