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女勇者アンの、華麗なる災難!

第2章 幼なじみと再会で、アンアン大ピンチ!?

「オイラ、家宝が心配で心配でたまらなくて。……おぉ、さすが勇者アン様! 家宝を取り戻してくれただすね! アン様ぁー、ありがとうございだすぅー! アン様ぁー!」

 いやぁー、やめてぇー! 今はその名前で呼ばないでぇー!

 カイトは魔法使いだけあって、頭も勘もいい。だから今ので、絶対に名前変えていることにすぐ気づいちゃうはず。

「ではオイラ、先にゴズダ村に戻りますだす! あーホントに良かっただすー。オイラの大事な家宝が無事で!」

 おじさんは、私の気も知らずに、そしてカイトの存在も気にせずに、嬉しそうにしながら、とっとと村へと戻っていった。

「…………」

 かなり気まずーい空気に包まれる中、カイトが口を開く。

「ふーん。『勇者・アン様』ねぇー」

「うぐっ……!」

 ほらね。やっぱり気づかれた。すでに、意地悪い笑みをニタニタと浮かべているし。

「まぁ、せっかく再会したんだからさ。また一緒に仲良くしていこうぜ。
 な? 勇者・ アン様♪」

「は……はい……」

  悔しいけど、拒否出来ない。

 ――こうして、魔法使い・カイトが、強制的に私の仲間になってしまった。

  あぁもーう! なんて災難なのぉー!








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