女勇者アンの、華麗なる災難!
第1章 女勇者 アンの誕生と過去の悲話
「出たな、醜き小鬼共が!」
「アン様ぁ!」
村では十数匹のゴブリンが民家を襲い、金目の物や食料を強奪している。ある者は農具で対抗しているが、見るからにゴブリンの方が優勢だった。
「私の剣をくらえーーー!!」
「キキェェェっ」
振り下ろした剣が次々とゴブリンたちを薙ぎ払う。
ゴブリンは集団で襲ってくる習性があるが、一匹一匹はそこまで強くはない。
もちろん武力を持たない者では、太刀打ちするのも一苦労であるだろうが。
「………ふぅ、よし!」
あらかた片付くと、残りのゴブリンは散り散りに逃げていった。
どこに生存しているともわからないゴブリンを追いかけても、まばらに存在する彼らを駆逐するのは至難の業だ。まずは被害にあった村民の大事の方が優先だろう。
「アン様、ありがとうございますた!」
「アン様のお陰様で、今回も死者が出る事もなく無事に回避できますたよ」
「アン様は本当に、この村の勇者様だすーっ」
「それは良かった」
村人の安否を聞き、私はザッと血振りをすると剣を鞘に収めた。
私が生まれ育った街を捨て、このゴズダ村に来て早6年になろうとしている。
今ではこの武力を持たないゴズダ村で私は女勇者ともてはやされているが、私がここに来たのは自分の力をひけらかしたいとかそんな理由ではない。
私は、私を知ってる者達から逃げ出したかったのだ……!
「アン様ぁ!」
村では十数匹のゴブリンが民家を襲い、金目の物や食料を強奪している。ある者は農具で対抗しているが、見るからにゴブリンの方が優勢だった。
「私の剣をくらえーーー!!」
「キキェェェっ」
振り下ろした剣が次々とゴブリンたちを薙ぎ払う。
ゴブリンは集団で襲ってくる習性があるが、一匹一匹はそこまで強くはない。
もちろん武力を持たない者では、太刀打ちするのも一苦労であるだろうが。
「………ふぅ、よし!」
あらかた片付くと、残りのゴブリンは散り散りに逃げていった。
どこに生存しているともわからないゴブリンを追いかけても、まばらに存在する彼らを駆逐するのは至難の業だ。まずは被害にあった村民の大事の方が優先だろう。
「アン様、ありがとうございますた!」
「アン様のお陰様で、今回も死者が出る事もなく無事に回避できますたよ」
「アン様は本当に、この村の勇者様だすーっ」
「それは良かった」
村人の安否を聞き、私はザッと血振りをすると剣を鞘に収めた。
私が生まれ育った街を捨て、このゴズダ村に来て早6年になろうとしている。
今ではこの武力を持たないゴズダ村で私は女勇者ともてはやされているが、私がここに来たのは自分の力をひけらかしたいとかそんな理由ではない。
私は、私を知ってる者達から逃げ出したかったのだ……!