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『エリーゼのために…』

第1章 エリーゼのために…

 144 手紙(3)

 だからいいかなって、留学しちゃおうって…

 このまま駿とは会わずに行っちゃおうって…
 ごめんね、ごめんなさい。

 でもこれが一番いい方法の選択だと思うの。

 辛いけど…
 でも駿にはノーマルな男の子に戻ってほしいのよ。
 わたしと離れてさ、本当の、ホンモノの女の子と恋愛してさ、そしてセックスを体験してさ、少しでも早くノーマルな、普通の男の子に戻ってほしい…

 ほら、今の駿は女の子にモテる素敵な男の子でもあるわけだし、全然問題無いと思ってるの。

 それにそれは、わたしの心とあの心の彼の想いとは一致している思いなの。


 だからごめん、ごめんなさい、ごめんね。

 多分、5、6年後には帰ってきます。

 その時の素敵な男の子になっている、多分、大学生の駿との再会を楽しみにします。

 こんな内容じゃ駿は全然納得できないと思うけれど、こんな手紙しか書けないし、それにわたし自身もよく分からないの。

 だからごめんね、ごめんなさい。

 こんな突然のわたしの想いを許してください。


 カッコいい男の子になってね。



  バイバイ

  駿…大好き

        葵

       8月20日。



 

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