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「シャーク×サルベージ」

第5章 「メガロドン」


海上に浮上したジェロック機はコックピットハッチを開けて、数時間ぶりの空気を取り入れた


外からの陽の光がまばゆい


「降りなさい、ジェム! あなたをこのまま基地に戻すわけにはいかないわ!
 ここであなたを放棄します」


そう言ってシンシアはコックピットシートの下部から緊急時のサバイバルキットをハッチの外へ放り投げる


カバンのようになっているキットは水面に着水する直前にガバッ!と開いて簡易ボートが瞬間膨張した


「身勝手なスペースノイドだけど、ここで撃ち殺すつもりはない!自分から降りて!
 運が良ければ漁船に拾ってもらえるでしょ」


シンシアは腰から小型のピストルを取り出し、ジェムへ降りろとジェスチャーした


その瞬間!



シンシアの背後からガバッ!と巨大な牙が襲い掛かる!


メガロドンが海上にまで追ってきたのだ!


「あっ!」


シンシアはバランスを崩し、そのまま食われるまではいかずとも、海の中へ放り出された!


海面の大きな波に揉まれながら、シンシアは必死になって簡易ボートにしがみついた



「どうやら漂流するのは貴女のようね、シンシア! 新型機はもらっていくわ
 運があったら拾ってもらえるんでしょう?」



ジェムは高笑いしながらコックピットの中へ姿を消した


ジェロックはそのまま海中へ沈んでいくのだった


「待てッ! ジェムッ!!!!」


だが、シンシアの声は虚しく波の音に混じり消えていった…



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