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「シャーク×サルベージ」

第6章 「ラスト・ダンス」


ナオトがサーフィンのレッスンを終えて、仲間たちと一緒にサーブショップへ戻っているとき、

店の前に馴染みのない高級車が停まっているのを見掛けた
その車はようやく店にまで戻ってきたときには既に消えていた


「おかえり、ナオト」

「ただいま、フィンさん
 さっきのクルマ、何ですか?」


ナオトは店番をしていた店主フィンに尋ねた


「ああ、驚くなよ? ミアとサーシャの2人だよ、彼女たちイギリスの連邦高官の孫娘たちだったんだな! 俺も驚いたよ!」


「ええっ!?」


「ネオ・ジオンの“隕石落とし”のせいで地球は悪天候が続いているだろう? 彼女たちも祖父とともに宇宙へ疎開するそうだ、残念だよ」


「……そうですか、じゃあもうレッスン来れなくなるんですね、せっかく仲良くやってきたのに」


そこへレッスン終わりのコーチ、エイプリルも店へ戻ってきた


「私は前から相談されてたの、もう来れないかもってね……
 淋しくなるけど、出逢えた時間はとても有意義だったと思うわ!」


心の準備が出来ていないフィンとナオトは驚くばかりで胸が詰まっていたが、すでに自分の中で消化していたエイプリルは吹っ切れたように語った


「ナオトも淋しいでしょう?せっかく同年代のガールフレンドが出来たのにねぇ」


「同年代って……、ボクはティーンエイジャーな年齢じゃあないですよ?
 それに、ガールフレンドも何も…
 ボクはこれでも妻帯者ですからっ!」


「そうだったわね!アジア人は本当に幼く見えるから、ナオトが学生さんのように思えちゃうのよ!ゴメンネ」


「さぁ、お二人さん!お喋りはそれくらいにしてシャワーを浴びてこいよ!サーフィンあがりは塩でベタつくだろ?
 終わったらボードにワックスがけだよ?」


フィンはナオトとエイプリルを追い出した


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