「シャーク×サルベージ」
第6章 「ラスト・ダンス」
サーブショップの店内で話しをしているうちにレッスン生たちはさっさと着替えて解散してしまっていた
ナオトとエイプリルは店の裏側にまわり、休憩部屋を通り過ぎて奥の更衣室へ向かう
「じゃあ」
とエイプリルは女子更衣室へ入っていった
ナオトは先に休憩部屋で温かい飲み物を口に含みたかった
熱いコーヒーを喉に通すとナオトは空軍時代に上官だったシンシアとよく展望ルームでコーヒー休憩をしていた頃を思い出していた
ようやく飲み干してから休憩部屋を出て、更衣室のほうへ向かう
すでに女子更衣室の奥からはシャワーの音が聞こえる
この扉一枚向こうにエイプリルがシャワーを浴びているのだと思うとナオトは先日の彼女の裸体を思い浮かべてしまう
だめだ、だめだ!
コーチなんだぞ!
フィンさんの奥さんなんだぞ!
それにボクにもシンシアっていう魅力的な奥さんがいるじゃないかッ!
ナオトは頭をブンブン振って邪念を払おうとした
ガチガチ!
男子更衣室のドアノブが開かない!
先に帰ったレッスン生が気を利かせて扉を締めて帰ったらしい
「なんだよ、また店の正面まで戻って鍵を取ってこなきゃいけないじゃないか!」
ナオトはうんざりしながら、イライラしてドアノブをガチャガチャとやけになってまわす
その音を聞いてか、女子更衣室のエイプリルがバスタオルを巻いただけの姿で様子を見に来た
「どうしたの?」
「わぁっ! エイプリルさん!
こっち側、鍵が締まっちゃってて……」
「……なんだ、そんな事かぁ……
じゃあこっちのシャワー使いな」
「えぇ! いやいや、女子用には入れないです」
「もうみんな帰ったから大丈夫よ、前に私も男性用のほう使ったじゃない」
遠慮しているナオトの手を取り強引にエイプリルは引っ張っていった
女子更衣室に入るとエイプリルはそのまま巻いていたバスタオルを外すと棚の上にバサッと置いて全裸になり、シャワースペースがある壁のほうへ歩いていく
ナオトは目が離せない
迫力あるエイプリルの後ろ姿
がっちりした肩と引き締まった腰
それになによりもばんと大きく張ったヒップに目が奪われた
振り返ったエイプリルはフフフと笑みを浮かべて、再びシャワーを浴び始めた
「いつまでも見てないでナオトも早く浴びなさい」
慌ててナオトも脱いだ