「シャーク×サルベージ」
第7章 「ノヴァvsジェム」
連邦海軍E.N.F.空母アルバトロスは緊急時体制となっていた
先行調査チームの小隊が3機とも連絡を絶ってすでに数時間が経過していた
第一小隊のクラウディア、ギル、ノヴァの新型機パイロット3人とマリン・ジェガンのサポート部隊のパイロットたちが待機させられている
新型機ジェロックの複座式に乗り込んでいるクラウディアは今回のパートナーのノヴァがなかなか搭乗して来ない事に苛立っていた
「あの女、何やってんのよッ!?」
まだ出撃指示は出ていないものの、いつ出撃してもおかしくない状況だ
現在は音信不通の先行調査チームを空母と作業ポッドの海上と海底のソナー探査が続いている
万が一、連邦軍に敵対する組織や部隊に遭遇した場合、早急に対応できるようパイロットたちはコックピットに乗り込んでいる筈なのだ
開きっぱなしになっているコックピットハッチの外側からメカニックマンの大柄な女性がクラウディアに声をかける
「カリカリしないでよ、クラウディア!
きっと、お楽しみ中なのよ!」
「なによ、それ?」
「あれ、知らないの?」
数分後、クラウディアは烈火の如く怒り狂って格納庫から飛び出していった
バン! 扉を開けるとベッドの上でもつれ合っているノヴァとギルの姿があった
「アンタたちッッ!! この緊急時にナニやってんのよッッ!!!」
「く、クラウディアッッ!?」
「あーあ、見つかっちゃった」
クラウディアはギルの背中をブーツで蹴り上げた
彼女はテーブルの上にあった飲み物も床に叩き落として部屋を出て行った
「あーー、いてぇ…、まともに蹴りやがった」
「萎えちゃったわ、
残念ね、最後まで出来なくて」
「ホントだよ、もう少しだったのに」
ふたりは呆れて苦笑いをした