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「シャーク×サルベージ」

第1章 「マリン・ジェガン」


本日の仕事終わりの「終礼」が空母のブリーフィングルームで行われた


毎日の進捗状況を共有するミーティングだが、この日は引き揚げの成功とマットへの追悼という内容だ


本来ならば浮かれるべき仕事の成功となるはずだったが、

皆の同僚の事故ということでささやかなミーティングとなってしまった



新たな情報として共有されたのは、今回の事故の問題点の改善として

当初は数カ月先に導入される予定だった新型機が前倒しに届けられる事になったらしい



すでにシンシアたちパイロットクルーは何度も新型機のシミュレーションをこなしていた


シンシアがチラリとクラウディアのほうを見やると“ほら、私の言った通りでしょっ”と言わんばかりの表情をしていた


ブリーフィングルームでの「終礼」が終わると皆それぞれが帰路についた


大半が船に残り深夜シフトの作業をこなす


クラウディアたち正規パイロットは海軍基地の近くの寮に戻っていく


「じゃあ、またね」


シンシアはクラウディアに手を振って基地を離れた


臨時雇用されているシンシアは夫婦で基地近くの家を借りて暮らしている


シンシアは基地の外の道路で待っていた夫のクルマを見つけ、乗り込んだ


「お疲れ様、シア」


「わざわざありがとう、ナオト」


ふたりは基地を離れた…


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