「シャーク×サルベージ」
第8章 「イルカ・プール」
謀反を起こしたジェムの一号機をノヴァの二号機が撃破した同じ頃、
海上を漂流していたシンシアのサバイバルキットボートが数時間ぶりに救助された
「遅いよ」
不貞腐れたシンシアにギルが手を差し伸ばす
「そう言わないで! あと良いニュースがもうひとつ、カーソンも数時間前に救助されたんだ」
「そうなの!?良かったわ、てっきりサメにやられたのかと…」
「この先の岬に打ち上げられたマリン・ジェガンが発見されたんだ、奇跡だよ
とりあえずカーソンだけ軍の病院にヘリで搬送された
機体のほうはバックアップだけ取って、機体そのものはまだ岬に残されてる
軍の関係者以外立ち入り禁止にした」
「そう……、で? ジェムは?
アイツ、スペースノイドの怨念のようだったわよ?」
「ああ、わかってる
そっちのほうはノヴァが対応した
あとはシンシア、アンタだけだ」
高速艇で空母に帰還したシンシアは軽度の脱水症状として医務室送りとなった
医務室の天井を見上げるシンシアは
“空軍のときも同じように天井眺める羽目になったな…”と思った
シンシアが医務室に運ばれていた頃、
ナオトが居を構えていた丘の上のコンドミニアムの呼び鈴が鳴った
一晩中ミアとサーシャ姉妹と戯れてから帰宅後、死んだように眠っていたナオトだったが、夕方に目が覚めてしまい中途半端に眠れなくなっていたところだった…
ドアを開けるとそこに立っていたのはエイプリル婦人だった