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「シャーク×サルベージ」

第2章 「シュルフ・ルソン」


「ビアンヴニュ!ナオト」


「ボンジュール!フィンさん」


朝からナオトはサーフショップに訪れていた


外の巨大な看板には「シュルフ・ルソン(サーフィンのレッスン)」と書かれていた


ここは普段ナオトがレッスンを受けているお店兼スクールだ


地元のサーファーから観光客向けの初心者レッスンまでこなしている小さな個人店


店長のフィンは自身もサーファーであり店を経営しながら自身も嗜む

趣味と実益を兼ねているようだ


「ナオト、今日はどうしたんだ?
 レッスンの無い日だぞ」


「ええ、わかってます
 時間を持て余していて…
 ちょっと覗いてみたんです」


「そうか、もし良かったらエイプリルのほうへ顔を出してやってくれないか?
 今日はレッスンが無いから買い出しに行くと言ってた
 俺は店があるからさ」


ナオトは頷いて店の裏手へまわる


道路に面したお店の裏側は小さなカフェなような作りになっていて常連のたまり場になっている


ナオトもレッスンが終わると仲間たちと談笑してたりする


中に入るとフィンの奥さんが作業していた


「ボンジュール!エイプリルさん」


「あら、ナオト?どうしたの」


「ぶらぶらしてたらフィンさんに買い出し手伝って、と言われたんで…」


「フィンに? 悪いわね、いいの?」


「今日は何も予定が無いんです
買い出しなら荷物運びぐらいしますよ」


エイプリルは金髪の長い髪を縛っていたがそれをほどいて髪を揺らす


エイプリルは夫に声を掛け、トラックに乗り込んだ


フィンも店の前まで出てきた


「ナオト、悪いね」


「全然! 逆に街を案内してもらいます
 このあたりはまったく知らない土地なんで」


「ああ、ゆっくりしておいで!
 エイプリルは何でも重たい物を持たせてくるぞ! 男は何でもこなして当たり前だと思っているからな」


「あら、違うの?」


「ほらな」


「任せて下さい、じゃあ!アビアント(またね)!」


トラックは海岸線を走って内陸へ向かう


キブロンの街へ向かっていった…


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