「シャーク×サルベージ」
第9章 「対決」
「エイプリルさん、ボクたちもビーチに向かおう! みんなを避難させないと!」
「え、ええ! でも…どうすれば!」
車に乗って移動しようにも、すでにホテル付近は逃げ惑う人々と車の渋滞で混み合っていた
ナオトはスタッフに詰め寄る
「他にビーチへ向かえる道は有りませんかッ?」
「え? ああ……、有るには有るのですが
入江の端の断崖の場所からサイクル用の遊歩道が……!
ただ、今は連邦軍がそこを立ち入り禁止にしておりまして……、
何でも海難事故があったらしく、モビルスーツが漂着したそうなのです
調査やら検分やらで一般人は入れないのです」
「分かりました、あのスクーターを貸してもらえますかッ!?」
「それは構いませんが……、でも向こうへは行けませんよ? 軍の関係者しか…」
ナオトはポケットから財布サイズの手帳を取り出し、ホテルのスタッフに見せつけた
「大丈夫、軍の関係者です!
ボクが行きます!
代わりにこの御婦人を避難させて下さい
こちらは一般人なので!
エイプリルさん、ここに残っていてね
あとで合流しましょう、
戻れるようなら、帰宅して下さい」
「ナオト、あなた本当に軍人さんなの?」
「ええ、休職してましたがこれでもパイロットですから!、じゃあ!」
ナオトはスクーターを借りて、ホテルの横の森の小径へと入って行くのだった…