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「シャーク×サルベージ」

第9章 「対決」


森の中とは言え、ロードバイク用の舗装された細い道はスクーターでも容易にスピードが出せた


少し丘を登ったり、下ったりとアップダウンは激しい



途中、開けた場所に出て来た



そこは連邦軍のジープが何台も停まっている



ナオトのスクーターはまっすぐ駆け下りていった



「ストーーーップ!!!
 申し訳ないがーーー!
 一般人は止まってくださーーい!」



警備兵が大きな声で呼び掛けてくる



ナオトはスクーターを止める


ナオトのシャツには血しぶきが飛び散っているのを見て、兵士も何事かと思わず銃を手に取った


「ここに無線があるでしょう?
 それを使わせて下さい!
 手前のホテルの入江で巨大な生物が人間を襲っているんです!
 このままではこの先の一般ビーチが危ないんだッ!」



「き、キミは一体……??」



兵士が動揺しているとき、背後から女性の声が響いた



「どうしたのッ!? 何事?」


上官らしい女性兵にナオトは同じ説明をして詰め寄った


「ふぅん? あなたアジア人ね?」


「?」


「あなたもしかしてナオト?」


「え? な、なんでボクの名前を…
 あなた一体誰ですか…?」



ナオトはポケットから軍の身分証を見せた


「………

 それより、

 ……急いでいるんでしょう?」


女性士官は部下の警備兵に指示していく


「私はビーチの管理事務所へ連絡をする!
 あなたは念のためホテルに確認を!
 あと、こちらの海中作業中のクルーを引き上げさせて! 大至急よ!」



女性士官はナオトの手帳を返した


「貴女はいったい……?」


「わたしはクラウディア、
 シンシア……、貴方の奥さんの同僚よ

 貴方ならわたしたちのサルベージ計画を知っているのでしょう?
 ここには計画中止を余儀なくされた海難事故の現場なの! 私達の同僚のカーソン軍曹が命からがら逃げ延びて来れた場所なのよ
 わたしは残されたモビルスーツの回収作業に回されてるわけ! おわかり?」


クラウディアはニヤっと微笑んだ


「そ、そのモビルスーツは…!
 ここに有るんだねッ!?」



ナオトはクラウディアに詰め寄った……


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