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緋色の罠

第5章 緋の誘惑〜堕ちた人妻

 言葉を失ったわたしに、お邪魔しましたと明るい声をかけて彼が部屋を出て行った。玄関のドアが開いて、また閉まる。


 毎日なんて…どうしよう。


 わたしは裸のままソファーにうずくまった。どうすればよいのかわからない。弱みを握られているから逆らえないのだ。

 しばらく茫然としていたらしい。時計を見ると夕方になっていた。


そろそろ買い物に行かないと。夫が帰宅する前に夕飯の支度をしないといけない。


 でも…その前にシャワーを浴びなくちゃ。強いシャワーで急いで精液を掻き出さなければ。


 気だるい身体を無理やり動かしてノロノロと立ち上がると、膣からこぼれた白い精液が、ポタッ、ポタッと滴り落ちた。

 それを見て、気分が深く昏い穴に沈み込んでいく。


 わたしは…何ということをしてしまったんだろう。


 うなだれた頬を、冷たい涙が流れ落ちて行った。

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