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緋色の罠

第7章 緋の遊戯〜淫らな願望

 そわそわした落ち着かない気分のまま正午を過ぎて、昨日の、木島さんに声をかけられた時間が近づいてきた。

 何も手につかない。とりあえずシャワーを浴びて下着を新しいものに変えた。鏡を見ながら髪とメイクを整える。

 自分が相手にどう映るか、魅力的に見えるか…今朝会って挨拶した奥さんよりも魅力的な女に…。

 いったいわたしは何をしているのだろうと思いながらも、まるで恋人に会う前みたいにドキドキして胸が高鳴る。

 "ピンポン"

 インターフォンが三回鳴った。ソファーから立ち上がり、カメラで確かめる。

「宅急便です」
「あ、はい」

 木島さんではなかった。宅配の作業服と帽子を被った人が映っていた。

 玄関ドアのカギは開いている。出ていくと、ドアの外に立って笑っていたのは…

「こんにちは、ユリさん。今日も綺麗ですね」
「木島さん…その恰好は?」
「ご近所の目がありますから。変装というやつです」
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