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ゆりかが自分の結婚式に出した条件は

２つだ

チャペルのあるホテルがいいって言うので

神戸市の海沿いのホテルで

どこがいいかを思案していて

先週末はラ・スイートの
ブライダルフェアに駆り出されたのだが

まぁ　場所は

ゆりかの好きにしていいと

最初から　ゆりかに伝えていたから

ブライダルフェアもゆりかが予約したら
付き合う約束になってるしな

後　コイツの実家は

九州の方で飛行機の距離なんだが

実家の祖父が持病があって
祖父の看病と介護で両親がこっちに
来れないって言うのもあるから

リモート結婚式に対応してくれるホテルを

探してるんだとは聞いてる


「それでですよ？
石黒さん、聞いて下さい。
私、見つけちゃったんですよ！
リモート結婚式の見学ができる
ブライダルフェアを！」


リモート結婚式の見学…ねぇ

それに　今日は駆り出される訳か

理解した　


「会場選びもいいけどよ。
お前んちへの挨拶は？
来月位でいいのかァ？
丁度、あんだろ？３連休がよ」

「うん、そうですね。
うちの親にその時にって
連絡します、ついでに泊まったりは？
ああ、そのうちにではなくて
どこか、ホテルを予約して
ついでにちょっと九州観光しますか？」

また　コロナも増えて来てるし
旅行だって言ったら聞こえ悪いが

結婚の挨拶をしに
婚約者の実家に行くなら
社内でも文句でねぇだろうしな

「適当に、その時の
宿泊先選んどけ。
金なら俺が出すしな」

「ええー？私が選ぶのぉ～？
じゃあ、石黒さんが
破産しそうないい所探しちゃお」

ふふふと笑うゆりかを見ると
ふぅーっと小さくため息をついて

「あんなぁ、俺が破産して
お前になんかメリットあるか？」

「冗談だよ？でも、お金
掛るのは掛かるし、こっちに
引越ししちゃおうかな？」

「そうしとけ、その方が色々と
面倒もねぇし。わざわざ業者
呼ばなくても、いいだろ？
力余ってそうなの、連れに居っからな」

どうやら　私の引っ越しを
自分の友達に一緒にって
お願いしてくれるみたいだけど

私が把握してる石黒さんの友達は

どうも　力が余ってるの
イメージには合わないんだけどなぁ