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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ

第6章 カタログ NO 5 秘密の個人授業 前編

流石に大人の女性だけの事はある…か

同級生の様には…簡単には落ちないよな

だがまぁ 後3日ある

シャンシャンシャン…

街路樹から聞こえる蝉の声は
今年の夏は随分としおらしく聞こえる

いつもならこの辺りを歩けば
耳が痛くなる程の
クマゼミの声がするのに

「蝉も鳴くに鳴けない…夏か」

夏に鳴けない蝉に自分を重ねる

「逃げ道はある程度は、
先にこっちから、塞いでは置きたいが…。
あまり塞ぎすぎると、追い詰め過ぎて、
先生を、泣かせてしまうか?」

先生を…泣かせる…と
一瞬で…自分の脳内で
ベッドの上で涙目になりながら
俺に許しを乞う 先生の姿が
浮かんでしまったのは…
俺も健康な男子高校生で
性欲を持て余してる証拠…だろう


その弱弱しい鳴き声を頼りに
一本の街路樹の前で
獅堂が足を止めて
その街路樹を見上げると

1匹のクマゼミの姿が見えた

いつもなら1本の木に7~8匹は居るのに

抜け殻はあれどもその姿はまばらだ


「鳴くにも鳴けない蝉なのは、
俺も同じ事か…夏なら鳴けるなら
まだ俺より、幾分お前の方がマシだな」


補習の時間が終わって
ひとりその場から動けないままで

若葉は個別指導室の
椅子の上に座ったままで居た

自分に言われた事の意味が
理解できない程 私は子供ではない

ひとつ 分かった事と言えば

私がどんな言葉を並べようとも
彼の気持ちは変わりそうにないと言う事ぐらいか


後 3日…


個別夏季補習を彼とここで
私はしなくてはならないのだ…


その3日が過ぎれば

夏季休業中なのだ 

獅堂と顔を付き合わせるのは

新学期になってからになるが


昨日は身体的な距離を詰められて

今日は今日で精神的な距離を詰められて


たった2日で この有様だ

3日間 そのたったの3日間を

恐ろしいとすら感じてる自分が居る


あの勢いであの熱で本気で詰め寄られたら

拒む事も許さないと迫られたら??


こんな考えを起こしてる時点で

獅堂の思惑通り…なのかも知れない


生徒の枠から 少しずつ


彼が 獅堂 総一郎が


音も立てずに 少しずつ…に


1歩にも満たないそんな速度で

じわじわと 生徒の枠を超えて行く様な


そんな感覚を 若葉は感じて居た

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