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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ
第11章 カタログ NO 9 ユガミノクニ
『それは、沙夜が…』
『言ってないから…だろ?
獅堂、お前さ、馬鹿だよ』
電話の向こうの宇梶の声は
驚く程に静かに響いて来て
『お前さ、俺らもまぁ大概だけどもよ?
よー考えてみ?今回のは誰が悪いの?
沙夜ちゃん、悪くないよね?』
自分からそう約束をして置いて
そう約束をさせて置いて
その言葉を欲しくないと
言われたくないと
言って欲しくないと
そう思って居ながらに
確認したんだ…俺は 彼女に
そう言いたい 言われたい気持ちは無いかって
そうだ 確認した
『お前さ、満足した?もう、
いい加減にさ、こんな事すんの止めろよ
今まで手伝って来た俺が、そんな事
言うのかよって言いたいだろーけどさ。
俺が思うに、もう、要らねぇだろ?ソレ』
宇梶の後ろから手がにゅっと
伸びて来てスマートフォンを
その手に奪い取られる
宇梶のスマートフォンを石黒が持っていて
『わぁったらさっさと、
帰って来やがれ!獅堂!
後、お前がまだしょもねぇ事、
ぐずぐず言いくさって
お前が、要らねぇつうんだったら。
アレ、俺が貰うわ。タフそうだしよ』
石黒が宇梶にスマートフォンを
返して来て 宇梶がそれを無言で受け取ると
もう総一郎との通話は切れていた
「アレ?なぁ石黒、沙夜ちゃんは?」
「あの赤い椅子の部屋に居る、
後部屋に鍵、掛けといた」
二ッと石黒が笑うと
「やるねぇ、石黒」
「まぁな、当然だわな」
俺が 家に戻ると
玄関で二人が俺を待っていて
「お帰り、早かったじゃん意外と」
「なぁ、今度はよォ。
お前の番だよな?獅堂」
ニコニコとして2人が
俺の方を見て来て
「沙夜は?どうしてるんだ?」
「お前が来るの待ってるぜ?あっこん中で」
そう言って石黒が赤い椅子の部屋を方を
顎でしゃくって見せて来て
「俺達は、ちゃんとお前との約束は
守ったからな?獅堂。俺達は
沙夜ちゃんには指一本も触れてない」
「なぁ、約束破りさんよォ。当然
お前は今まで
ず―――っとそうして来たんだァ。
まさか自分には、そのルール適応しねぇとか
しょうもねぇ事は、言わねぇよなぁ?獅堂」
2人の圧に威圧されて
そのまま 赤い椅子の部屋の前に来た
ガチャノブを回そうとすると
鍵が掛かって居て開かない
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