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お人好しは何かと巻き込まれる

第10章 フォルトのイジわる

怒ってるわけでなくただ恥ずかしかった。

それもわかっててフォルトは
濡れたところを甲斐甲斐しく拭いてくれる。

「後ろの方、気持ち良かった?」

「…最初、痛かったけど…後は…
変な感じで…」

「怒ってる?俺の事嫌いになった?」

「……フォルトはズルい。嫌いに
なるわけ…ないのに…」

「よく聞こえない」

絶対聞こえてるだろうにニコニコと
ルシアリアの言葉を待っている。

その姿は尻尾を振っている犬のようだ。

その期待を裏切れるはずもなく。

「…大好き」

何だか悔しくてさっきより小さい声で
言ったのにしっかり聞こえたようで

フォルトは満足した笑顔でルシアリアを
抱き締めた。

そして抱きしめ合ったまま
朝まで眠りについた。


朝、部屋を出ると使用人らしき人狼族に
朝食に案内されてフォルトと2人で食べる。

リヒターとレクトは見当たらない。

食べ終わった頃、バァンと音を立てて
リヒターが部屋に入ってきた。


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