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お人好しは何かと巻き込まれる

第11章 事後報告と勇者の憂鬱

しかしフォルトの視線の先は
ライラの方に向けられていた。

「何?取って食いやしないわよ!
ほら!何も心配することないでしょ?」

前半はフォルトに後半はルシアリアに
半ば呆れつつ言う。

「勇者様?そんなに心配なら目を離さない事ね!
さっきもガラの悪い奴らに絡まれてたわよ」

「そう!ライラが助けてくれたの」

「そう…か。それは、感謝する。
ルア、恐い思いさせてごめんな」

「どうしてフォルトが謝るの?」

「町に用事があったのも俺で
一人で待たせてしまったのも俺だから」

「町を見て回るの楽しかったよ。
でも今度は一緒に回ろうね」

ニコッと笑って言うとフォルトも
やっと笑顔になる。

「きゃあぁぁ!笑った顔もステキ!」

先程フォルトの周りにいた女の子達が
近くまで追いついてきて
フォルトの笑顔を見て大騒ぎになる。

フォルトの笑顔は一瞬で消え
無表情になる。

近づいてくる女の子達にルシアリアも
青褪めて慌てる。


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