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お人好しは何かと巻き込まれる

第13章 エキドナのまじない

「いやいやいや!そんなおまじない、
いらないよ!」

「何!?主様は女人なら喜ぶと言って
いたはずだが…」

「私には、ちゃんと心に決めた人がいるから
大丈夫なの。誰でも寄ってくるのは困るよ」

「それはそれは…余計な事をしたな。
女人なら誰でも喜ぶと聞いたのでな…」

シュンとピピの頭が項垂れる。

「このおまじないはどうやったら解けるの?」

「それは……主……エキドナ様…
じゃないとわからぬ」

「えぇ!そんな…ご主人様は
ここのすぐ近くにいるの?」

「あぁ、この先のドラク村の手前に
ある草原と沼地が広がるシェスト草原に
居を構えておる」

「ドラク村…次に行く村の手前なら良かった。
ねぇ、こんなおまじない他の誰かにも
掛けたりした?」

「いや、私の姿を見ると皆寄って
来ぬか去って行くからな。
助けようとするなんてお主くらいのものじゃ」

「それは…褒められてるのかな?
まぁ、どっちにしろ、このおまじないは
誰にも使っちゃダメだからね」

「あぁ、心得た。まじないが効いておる。
気をつけて帰るが良い」

そう言い残しピピは建物の隙間に消えていった。

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