テキストサイズ

お人好しは何かと巻き込まれる

第22章 小さな呼び声

怪我をしていた妖精が恭しく挨拶をすると
もう一人も慌ててそれに習う。

「私はフィア。並んで感謝申し上げます」

二人並んで頭を下げる。

「妖精女王様!?…どうして怪我を…」

「私達は森の奥に静かに過ごしていました。

しかし突如タランチュラの一族が襲って
きたのです。

あやつらは妖精の羽根を狙っており
仲間が数人やられてしまいました」

「命からがら逃げて森の端まで来ましたが
深手を負ったエスカテーラー様をこれ以上
連れて行けずにいるところをあなたに
助けられました」

「タランチュラの一族…」

簡単に言えば大きな蜘蛛の魔物である。

本当ならドラク村より東にある魔族領に
生息しているはずなのだが、突如現れ
数人が捕らわれ羽根を毟り取られたと
いう事だった。

「その中に普通のタランチュラとは明らかに
異質の存在が一匹いて他のタランチュラを
従えていたように見えました」

思い出して恐いのかカタカタと震える。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ