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お人好しは何かと巻き込まれる

第24章 崖の下で

「私はルシアリア。こちらこそありがとう。
川から上がるの大変だったでしょう?」

「君が崖から飛び降りてくれたのに比べれば
敵わないよ。

それとも僕が誰だかわかってて
飛び降りてくれたのかな?」

「誰…?いえ、体が勝手に動いてしまって…」

この考えなしに動いてしまう癖を直さないと
と反省するルシアリア。

そして甲冑で顔が隠れていた為、誰だか
知るはずもないがそう言うという事は
身分が高い人なのだろう。

「…すみません!王都の騎士団なら身分の
高い方ですよね。失礼な事をして
しまったかも…です?」

突然慌てるルシアリアを見てジークは笑う。

「いいや、何も失礼な事はされてないよ。
むしろそのまま畏まらないでほしいのだけど…」

ルシアリアの右手を取り手の甲に唇を寄せる。

「相手が誰であろうと人を救おうと動く
心綺麗な君に最大限の感謝を…」

歯の浮くようなセリフに何も返せず
真っ赤になって固まってしまうルシアリア。

本当に王子様のような人だと思った。

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