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お人好しは何かと巻き込まれる

第26章 王都の1日目

「綺麗なドレス!でも、どうして?」

「…俺が王様に謁見する時にジークを
助けたお礼を伝えたいからこれを着て
一緒に来てほしいってさ」

箱についてた手紙をフォルトが読んで
教えてくれて初めて王様に謁見するのに
普段着じゃ失礼に当たるという事に
今更ながらに気付く。

「そっか!正装して行かなきゃいけないんだね!
ドレスなんて持ってないから助かったぁ」

「いや、これは送り返す」

「え?」

「ルアをあいつ色にされてたまるか」

「どういう事?」

「王都では男が女にドレスを送るのは
自分色に染めたいというメッセージでも
あるらしいんだ。

あいつ、諦めるとか言っておきながら
油断ならないな」

「ただの善意じゃないかなぁ?」

「いいや、あいつはあぁ見えて腹黒い
ところがあるから、これは返す!」

「うん。それはいいけど正装とか
持ってないよ。どうしよう…」

「それは大丈夫。今から買いに行こうと
思ってたんだ」

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