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お人好しは何かと巻き込まれる

第28章 隠し部屋

「僕がこんなに甲斐甲斐しくお世話
するなんて初めてだよ。感謝しなよ」

食事も用意し部屋を出ていく。

何もされなかった事に安心して
食事を小さく一口、口に入れるが
喉を通らない。

この先どうなるか考えてもわからない。

聖女に拝命され世界中の人を治して
あげたかったのに…

フォルトと結婚して幸せになるつもり
だったのに…

今は先が何も見えない。

止め処なく涙が溢れる。

「フォルト…」

唯一心を強くしてくれる名前を届かないと
知りながらも呼んだ。



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