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お人好しは何かと巻き込まれる

第6章 ヴァンパイアの気まぐれ

「俺はルアの傷の方が気になる!」

ヴァンパイアに噛まれた傷が残っていたのが
気になったし、悔しい気持ちがぶり返す。

「他の人の傷なら魔法で治せるけど
自分には効かないからなぁ。そのかわり
他の人より治るのずっと早いから大丈夫だよ」

現にシーツから出ている腕の噛み跡は
もう消えかけている。

「それでも、俺はルアに傷ついて
ほしくない」

「うん。自分でも気をつける!」

「そうして。じゃないと…俺が
おかしくなるからね」

「何それ。大丈夫だよ」

「それより、外暗いけどやっぱり帰ろう。
ここの後処理はギルドにお願いするし
こんなところじゃルアを休ませて
あげられない」

「でも、まだ貧血でちょっと動けないかも…」

「大丈夫。俺が運ぶから」

「いや、私重いし暗い中、危険じゃない?」

「大丈夫。俺、強いから」

そう言ってシーツに包まれたルシアリアを
抱え、問答無用でヴァンパイアの屋敷を出た

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