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お人好しは何かと巻き込まれる

第9章 一回って?

やっと落ち着いた頃、
リヒターが話を切り出す。

「もしかして恋人がいるのか?」

「うん。ずっと言おうとしてたんだけど…」

「俺、人の話聞かないってよく怒られるんだよ。

勝手に舞い上がって
連れてきちゃってごめんな。

…人狼族、嫌いになっちゃったか?」

先程と打って変わって耳と尻尾を
垂らしてショボンとしてる姿が
かわいくてルシアリアはつい笑ってしまう。

「嫌いにならないよ。
人の話はちゃんと聞いた方がいいけど…

人狼族のいいところもたくさん
教えてくれたでしょ」

ふわりと笑うその笑顔に耳がピンと立ち上がり
尻尾が嬉しそうにブンブンと振られる。

「ここに来てやっと笑ったな!」

「だってリヒターが全然話聞いて
くれないんだもん」

「うっ、それは俺が悪かった」

「わっ!私、裸のまま!」

リヒターに背中を向けて服に手を
伸ばすと手が届く前にリヒターに服を取られた。


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