はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第14章 『慰安旅行・翌日』
かなり…出血してたから…。
急に動いて…
血圧が下がったみたいで。
起こした身体を
地面に引き戻されてしまう。
ああ…、ヤバいな…。
血…流し過ぎてた…か…。
『……!!!…―――!!』
『…――そっち…―たぞッ…!!』
声…がする…?…人が…来たのか…?
声が聞こえてる様で、
耳に入って来なくて。
目を開けているハズなのに…、
視界がぼやける。
ああ…ごめん…真奈美ちゃん…。
仁さん…、20まで真奈美ちゃんの
面倒みるって約束…守れないかも…?
仁の意識はそこでブツっと途絶えた。
目を醒ましたら、病院のベッドの上で。
内村さんと、真奈美ちゃんが居て。
「仁さんッ、仁さんッ!!
意識が…っ、目が醒めたんですね…ッ」
そのまま、折角起こした身体を
真奈美に抱きつかれて
そのままベッドの上に倒されてしまった。
「さっきまで、
お前の友達あの2人も来てたんだぞ」
そう内村が声を掛けて来て。
さっきまで貴虎と薫も、
顔を見に来てくれてたらしい。
ふたりとも…忙しい…のに…、
僕なんかの為に…律儀な奴らだな…。
『僕…生きてた…んですね…、
今回は、死んだかと思いました』
「じっ、仁さんッ…!?
折角、目を醒ましたのに。
えっ、縁起でもない事を
さらっと、言わないで下さいよ~」