はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第17章 『仁さんの退院と前嶋からの依頼』
彼女は…自分の店を持つのが夢で、
ホステスとしての稼ぎを貯金していて。
僕の面倒を見るのと、家の事をする…
その代わりに、衣食住の食と住は
俺の親父が保証する…と言う
…一種の…契約に近い物だった…。
……と言うのは…後から
静さん本人から聞いた話……。
要するに…僕がまだ、母親が
必要な年齢だったから、
家で母親代わりをしてくれる女を
あの頃の親父は探していて。
最初に真由美を家に連れて来たが、
真由美も一応は…家の事はしていたが。
何分、僕と真由美の相性があまり
良くない感じだったので
僕の母親代わりには…ならないと…
親父が判断したらしく…、その後継に
自分が選ばれたのだと…
そんな事を言っていた。
実際に…、
僕の母親としての役割と言うより
家政婦…の程度の真由美とは違って。
静さんは、ご両親が再婚していて。
新しい父親の連れ子として、
自分とかなり年の離れた弟が居たのだそうだ。