はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第25章 『ちょっと早いクリスマスプレゼント』
「すいませぇ…ん、仁さぁん…」
そう申し訳なさそうに
真奈美が小さな声で言って来て。
『折角の、温泉だからって
長湯し過ぎちゃったんでしょ?
真奈美ちゃんは普段は本舗のあの
シャワーだけで済ませてるから
余計に、のぼせちゃったんだと思うよ?』
「ふぁ…い…、
そうかも…知れないですぅう…ッ
で、でもぉ…、仁さんと…温泉…
一緒に…浸かれるの…嬉しかったんでッ…」
ぎゅうと…真っ赤になってる顔に
冷たいタオルを押し当てながら
申し訳なさそうにそう言って来る。
温くなったタオルをまた
水で絞り直して顔を冷やしてあげると。
「ふにゃぁ…、タオル…冷たくて
気持ちい…い…ですぅ…ッ…」
時間無制限での貸し切りだったから
真奈美ちゃんが落ち着くまで待って。
真奈美ちゃんを湯上り処で
待たせて置いて、鍵を返しに行った。
部屋でしばらく休んでいると、
真奈美ちゃんの身体も
大分楽になって落ち着いたみたいで。
「仁さん…すいません…でした…、
折角の…成田さんのご夫婦からの
ご厚意…ですのに……」