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「森園さんご安心ください…。
遊亀美月様からご主人との浮気を
責められてしかるべき制裁を受ける
女性は貴女だけではありませんから。
私ども…の方で、遊亀正樹の
交友関係につきましては
くまなく調べ上げさせて頂いておりますので」

と…何の慰めにもならない言葉を
僕は…僕は森園美海に掛けた。
できるだけ優しい口調で、
そして精一杯の営業スマイルで。

今は森園美海は…隣には
夫である伊藤雄介
そして正面に…浮気相手の
遊亀正樹の妻が座ってる訳だから。

居心地のいい状況ではないのは
確かな話だからな…。

『今は……小さなお子様がおられて
お勤めに出られるのも難しいでしょうし、
慰謝料のお支払につきましては
森園様がお望みでありましたら
就職先も斡旋してくれる知り合いが
私の方にはおりますし…。
ご融資を無担保でしてくれる
金融機関にもツテがありますから…』

森園は調べた限りずっと
派遣社員ばっかりしてたみたいだし。
派遣先で今回みたいな男性絡みで
在籍してる職員とトラブルを起こしては
別の場所に派遣されてたみたいだし。