はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第32章 『旧レイン邸宅にて』
食べるものにしろ着るものにしろ、
ブランド志向で派遣で稼ぎは
知れてるが裏で愛人でもしたりして
儲けもあったみたいだから自分の
稼ぐ以上に使う浪費癖もある感じだし…。
十分な額の貯金や財産があるとは
思えないからな……遊亀美月への
慰謝料と、伊藤雄介への慰謝料の
ダブルの慰謝料請求が掛かって来るわけだし。
子供を出汁にして支払いを
しぶられても困るからな。
それを理由にして要求を飲めば
平気で踏み倒してきそうだし。
森園はまだ20代だし
あのルックスなら福原の
高級店でも客が付くだろうし…。
金額多めに設定しても
割とすぐに返済も出来そうな感じもするが。
「では…、この場にいつまでも
私のような部外者がお邪魔を
し続けるのも申し訳がありませんし。
あちらに主人も来ますので、
弁護士を交えてじっくりと
今後についてのお話を致しましょう」
そう今度は…森園の目を
全く見ることもなく
視線を合わすこともしないで
静かに遊亀美月は言い放った。
「美海…、俺は…お前と離婚する。
俺からもお前には慰謝料を
請求させてもらうからな?
勿論……、陽斗の親権は
分かってるだろうが…。
…美海、お前だからな?」
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