テキストサイズ

いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る

第7章 藍影と禿


藍影「お前…何気に薬草と道具と医学書を
ねだってんじゃねぇよっ!!
まぁ…買ってやるよ…」

薬「ありがとうございますっ!!」

それから…
さっきから動じない、もうひとりの坊主…
死んだような眼をしている…

藍影「おい、お前…大丈夫か…?」

頼「…何が…?」

藍影「お前は何が欲しい…」

頼「…何も…欲しくない…何も要らない…
この命も…要らない…」

藍影「はぁ?何言ってんだ?お前は…?」

頼「だから…おいらが欲しいのは…
銭で買えるもんじゃねぇんだよっ!!」

藍影「…お前の事情は知らねぇが…
"命は要らねぇっ"て言ったな?
じゃあ…俺の為に、
ひと仕事してから死ねや…それまで俺が、
お前の家族になってやんよ」

頼「う、うわぁ~ん…
おいら…家族を目の前で…殺されたんだぁ!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ