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いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る

第9章 藍影の想い…


今夜、俺は誰かを抱く…

気が重い…だが…やるしかねぇ…

アイツだって……耐えてるんだ…

姐さんの真似事を
すれば良いだけの話…

俺は今から抱く…相手からの贈り物で
鏡の前で化粧をし…髪を結い…
着物を着付け…最後に紅を塗る…


ちょうど装飾品を着飾ったと同時に
襖が開いた…

俺は振り向き…
立ち姿に少し腰を落として…

藍影「ようこそ…おいでくんなまし…」

と一言だけ挨拶…

三つ指なんか立ててやるかよ…
こいつ…身分は高そうだが…
中身はゲス野郎だな…

それに何処かで見た顔だ…
見てくれは良いが…
確か…
民を見下している奴だったな…

日頃の鬱憤を晴らしに
俺に抱かれに来たか…

まぁ…俺は…大判さえ、
くれりゃあ、それで良い…

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